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広報WEB委員会突撃インタビュー“チリで活躍する日本人”の第4回目 今回はJICAシニアボランティア制度よりチリ卓球ナショナルチームのコーチとして派遣されております、佐藤 健さんに2005年9月7日レストランアスカにてインタビューいたしました今回のインタビュアーは永田委員と荒木委員が担当しました。練習会場から直行していただいた佐藤さん。さわやかなスポーツシャツがよくお似合いです。チリにおいての練習風景、日本との卓球のつながりなどについてお話いただきました。
インタビュー日 2005年9月7日

 

— 昔は明治生命にお勤めだったんですよね?

佐藤氏:そうなんです。卓球が盛んな会社でしたからね、卓球部の監督としてながくやってたんですよ。その後昭和49年から自分の大学の監督をやってくれってことで、中央大学の監督をやってたんですが、教えている選手が全日本チャンピオンになるとまた欲がでるでしょ?じゃーその次は世界的な選手を作ろうとかね。それにドップリつかっちゃっいましてね、監督業30年。

— なるほど、そうですか。

佐藤氏:それで最後私が明治生命を辞めたのが、え〜っと昭和58年かな?・・・日立製作所から、“チームを作って欲しい!”っていう話がでて、プロで行ったんですよ、プロの監督業で。。その時「日立に行くことになりました!」って明治生命に話したら、「しょうがないなー」ってその当時の社長が許可してくれて、その後日立に5年いたんですよ。朝から晩まで卓球ばっかりやってましたね。(気合をこめて!)それがバブルの時代だったでしょ!超一流の選手を獲得するのにかなりの経費がかかるんいですよ、その当時年に青森に十回以上足を運びましたよ、青森山田(高校)や青森商業へね。

— あー 愛(福原)ちゃんのいるね。

佐藤氏:あそこ行ってね、スカウトするんですが、なかなか日立(茨城県)まで来てくれないんですよ。日立製作所のチーム立ち上げに色々苦労したんですが5年で辞めさせてもらいました。それで東京へ帰ってきて半年ほどじっと家にいましたね。そしたらまた大学からお呼びかかりましてね。。

— 中央大学からですか?

佐藤氏:そう中央大。その後東京都から卓球スクールやってくれって頼まれて、しばらく国立競技場で教えてたんですよ、そしたらこの話(JICAシニアボランティア) がでて、「南米のナショナルチーームで弱いんだけど、佐藤さんやる気ある?!」って言われて、それで試験受けたんですよ。

— それはJICAのですよね?

佐藤氏:そうそうJICAの募集があるよって!それで卓球協会に問い合わせしたら「あるけど佐藤さん受けるか?」という話になって、受けて、その後卓球協会に「おいどうした?」って試験の結果聞いたら「佐藤さんのは3重マルつけておきましたって」(笑い)それでこっちへ来ちゃったんですよ。

—その募集というのはチリだけだったんですか?

佐藤氏:そう。たまたまね、卓球についてはチリしかなかったんですよ。でも私にとってはかえってそれがよくてね。。私 酒飲むんで車運転しないでしょ!JICAの規定で他の国に行くと運転できることが条件になってる様ですが、チリの場合は反対に運転禁止なんです。。チリのシニアボランティア(JICA)は誰も運転できないんです、ここでは。。。

それと、“ナショナルチームの指導”というから、ナショナルチームならいいわ!と。。。レベルも大体わかりますよね、ブラジルの選手はよくみてましたから・・・でも実際はチリのレベルがどれくらいの水準かわからなくて来たんですが、ただブラジルより下〜というから・・・ある程度わかりますよね! 

— 他の南米諸国ですが、ブラジルとかアルゼンチンとかは日本と卓球の交流はあるんですか?

佐藤氏:ブラジルはあります。

— やっぱり日系人が多いからですかねえ?

佐藤氏:そう。。。日系人が200万もいるわけでしょ、マルコス・山田という人が中心になってやってるんですが、彼には私も東京でしょっちゅう会ってましたよ!ブラジルの選手が日本へ卓球留学してますので、日本で見てて彼らのレベルもわかってるんですよ。それでチリはそれよりも落ちるというから、それなら大体予想できるなということでチリに来てみますと選手層がうすいですね、卓球の人口は南米では多い方なんですがね。ウルグアイなどは700名ですからね!(笑い)日立の監督やっていた樋口さんはウルグアイに指導しに行って2年半いたんですが、“なんていっても700人しか卓球人口がいなんだから、とってもじゃないけど組織なんてない。自分で作ろうとしたけど、あの数じゃあ組織は作れないね!”と言ってました。反対にチリは組織があるんです。1万5千人の卓球人口があるでしょ、

— 1万5千人! 組織として登録している人だけでですか?(驚き)

佐藤氏:53部支部があるんですよ、北から南まで

− へ〜すごいですね あっそんなにいるんですか。

佐藤氏:そういうことがわかりましてね、1万5千人という登録人数はまあまあの数なんです、日本は百万以上いますよ。チリはまず第1にサッカー、二番目がバスケット、3番目が卓球なんです。

− へ〜そうなんですか。。(知らなかったー) 野球も多そうですがね。。

− 卓球人口って遊びでやるピンポンの人は入ってないんですよね?

佐藤氏:それがね入っているんです。

− それはレベルの違いあるでしょ

佐藤氏:結局私は全部(全レベル)みざるをえないんですよ。苦痛なんですよね、そっちの方が逆に。。 レベルの低い人に教えるときは自分の身体を使わなきゃいけなくてね。。。ある程度のレベルにいけば、口だけでいいんですよ技術的なこととかね!チリ全土から集めて10歳から15歳までの選手を主に見てるんですよ。これから期待のチリの子供たちということで。。そういう子供たちを育てようと今やってるんですが、その子供たちがラテンアメリカの大会でかなりいい成績を収めてしまって、これはチリ始まって以来の成績だったようです。女子に期待できる子が二人いるんです。

− 彼女達って何歳ですか?

佐藤氏:14歳

−それって愛ちゃんと同じ年代の。。

佐藤氏:実は二人を日本で受け入れてもらうために働きかけたところ、来年の2月1日から3月10日までの40日間、こちらの夏休みを利用して日本の道場で合宿に参加することになりました。。

−へーそうなんですか、お金はどこからでたんですか?

佐藤氏:旅費はこちらでなんとかして。。

− JICAからではなく

佐藤氏:JICAじゃなく、卓球連盟と、自分達でね。滞在費は日本でみてくれて、それで指導もしてくれるんです。。

− 日本の滞在費は日本の卓球協会が?

佐藤氏:いや日本のメーカーです。。日本では世界のトップレベルのメーカーがあるんですよ、バタフライといって、世界でも大変な会社で南米にも援助してますよこのメーカーは。

− なんの会社ですか?

佐藤氏:卓球のラバー、ボール、ユニフォーム、靴等を販売している会社ですよ。卓球のメーカーですよ

その会社が受け入れてくれる道場奨学生制度というのがあって、南米等発展途上国の人たちを受け入れのシステムを持っているのです。現在は全日本チャンピオンの岩崎君と渋谷君が担当して教えてくれています。例えばうちの大学でも合宿をやらせてもらっていますが、全部泊まりはタダですよ。この会社は商売が成り立つのは卓球人がいるからであり、卓球人に利益を還元するという考え方の会社なんです。

− へーすごいですね

佐藤氏:この社長さんが田舛さんといってものすごい人物でした。中南米やアフリカ、東欧等全世界の主だった選手たちに支援しております。

− 今回キューバーで開催された大会は南米、メキシコ以南の卓球をやっている国が参加して行われたのですか?

佐藤氏:そうラテンアメリカの。

− 順位としては何位なんですか?一位ですか?

佐藤氏:18カ国参加の2位でした。。総合でいくとブラジルより上だったんですよ。4種目優勝してますからね、それに銀メダル二つ、銅メダルが4つですから。それでメダル数が計10個になりました。帰ってきたらチリにスポーツ省というのがありましてね、試合の結果がよかったのでそこの大臣に私も含めてチーム全員呼ばれて記念品をもらったりしたんですよ。まあいいことなんですが、あまり子供達をチヤホヤしてもらいたくないんですがね。

今の私の目標は選手育成もありますが指導者の育成も大事なんですよ、指導者を育成しないと話にならないと。だからコーディネーターの下西さんと苦労の上合作で教え方のマニュアルを作成したんです。(マニュアルをみせながら)、これ50ページもあるんです。全国のコーチ会議第1回目ををピチレムというところで行いました。今後はもっと時間をかけて年に何回もやって欲しいと要望しております。

− 佐藤さんのミッションというのはチリの卓球チームを世界のレベルに持っていくことなんですか?

佐藤氏:世界のレベルはまず無理ですが、まず最初は南米で一番にしてくれというのがこちらの考え方なんです。“それなら日本に行って高いレベルの卓球を学びなさいと、南米で学んでは駄目だと”。と私は言ってるんですが、まず南米で優勝できる力を持つというのがこの国の考え方なんですは。

しかしまだチリの選手は打ち方、基本姿勢が悪いんですよ。打ち方も今では古い。“変えて欲しい”と何度かいっております。指導者が考え方を治してもらいませんとね。。

足なんか平行ではうまく動けないとかね。

チリではチリオープンというプロツアーを7月に行ってるんですよ、今年で2回目なんです、世界ジュニアもチリで開催しました。

− 愛ちゃんも来てましたね。

佐藤氏:だからそういう国際試合をみんなに見せろと。今年のチリオープンでは、日本人選手が6名来ましてね、南米ではチャンピオンのチリの選手がこの日本の選手にスッテンテンやられてしまいました。自分から打ったボールはほとんどなし、たまたまカウンターで入ったと。。だから“それくらい差があるんですよ、見ましたか?どう思いましたか?と言いたかったわけです。これら世界の一流選手たちの練習もよく見なさい!と。このような試合をみることによって子供たちに刺激をあたえてゆけばある程度のレベルまであがると思っております。

− いらっしゃったのが2004年11月ですか?

佐藤氏:11月です。もう1年経ちましたね。わたしにはコーディネーターの方が一緒にいてくれまして非常に助かりました。

− 卓球で配属があったのはチリだけなんですか?

佐藤氏:いえ、他にも行ってますよ。ただナショナルチームのコーチで行ってる方はないと思います。

佐藤氏:選手たちと海外遠征に同行するのにはかなり苦労しております。治安の問題があったり費用負担の問題で年に何度も参加するのは無理なんですね。

−その背景を聞けば前回のキューバで開催された大会に行くのも大変だったんですよね

佐藤氏:そう、でも一年目だったんで強引にお願いして実現できました。。。先日もプエルトリコに行ってくれって協会から言われたんですよ、私の費用は協会で出すけど、だけど私はスペイン語ができませんから下西さん(通訳コテーディネーター)が同行できるなら行ってもいいよっていったところ費用面で調整できずやめたんですよ。私には絶対通訳が必要なんですよね。

細かい動きや考え方を指示するための、表現がスペイン語でできないんですよ。“ためをつくれ”とか。

− ためをつくれ??

佐藤氏:「ナショナルチームの海外遠征にはコーディネーターの同行が不可欠なんですがね。日本のサッカーのトルシエやジーコの例があるんですがね。

− 派遣機関の人たちはそこまで言っても理解してくれないでしょうね。

佐藤氏:そこまで考えてもらわないと私の後に来る人が同じ苦しみをするでしょう。

−チリのレベルを上げるには世界のレベルを知らないといけないんでしょ?

佐藤氏:そうなんです。

やっぱりチリから出て行って、ブラジルはどういう練習やっているのかとか、指導者がもっと勉強してもらわないといけません。

− 技術的にっていうか物理的には世界のレベルの人たちにチリに来てもらえばよいのですね。

佐藤氏:チリではそうするしかないかな、と、今度うちの大学の監督にも、「遊びに来い」といってるんですよ。

− 確かにそういう手もありますね。

佐藤氏:彼は今アシックスにいるんですよ。定年間際だろって(笑い)私の靴とかいつも心配してくれている後輩で、「是非チリに遊びに来て欲しい」とは言ってるんですが、まあ遊びに来て=卓球を指導して!とね(笑い)

− チリの卓球連盟はどれくらいの予算を持っているんですか?

佐藤氏:そうですね、年間にすれば2千万くらいの予算と聞いております

− 日本円で?

佐藤氏:そう日本円で2千万円。日本の場合はナショナルチームの強化費だけで一億5千万円。

− まあ卓球人口も違いますしねー。

− オリンピックにはチリから卓球の選手誰かでてるのですか?

佐藤氏:でてますよ。南米だから出れるんですよ。何人かでてますよ。

− 日本の実力は世界で今どれくらいなんですか?

佐藤氏:女子は今3位か4位。男子は8位、9位あたりですか。。

− ヨーロッパが結構強いんですよね?

佐藤氏:そう、だから男子は今大変ですよ。。前は男子が強くて女子があまりよくなかったけど、最近は女子のほうがよい成績を残しております。

− 女子は世代交代が早いんでしょうね?また指導するのに女子は大変でしょう?

佐藤氏:世代交代は別として、女子のほうが一生懸命やるんですよ。基本練習をやれって言えば女子は何時間も同じことをやりますが、男子はそんなことヤリャーしませんよ、すぐに試合やりたがりますからね。

− チリの人はどうですか?

佐藤氏:数は少ないですが熱心な女の子はおりますよ。

また親が熱心です。毎日練習の送り迎えしてるしね。

− ここで卓球をやってる子供の家庭というのは裕福な家庭が多いのですか?

佐藤氏:ある程度の所得がないと、道具が買えないでしょう。ラケットが1本1万5千円くらいするでしょう。ラバーがだいたい5千円、6千円でしょそれを両面にはるから、ラケット、ラバーだけで3万近くかかってしまうわけですよ。日本円の3万円ですからね

− えっ日本円の3万ですか。じゃこっちでは3万ペソの5倍くらいですね。

佐藤氏:今回メーカーと交渉して、何人かの選手にメーカーが援助するということで決まったんですよ。これからはラバーを2ヶ月に1枚くらいずつ補助してくれるんですよ。

また日本の実業団の選手はラバーは、1週間か2週間しか使わないんですよね、それをとっておいてくれて時々ダンボール一杯にして送ってきてくれるのをあげてるんですよ。こちらの人は1枚のラバーを半年くらい使いますから。

JICAにもボール、ラバー等の援助をかなりやってもらってます。

− 道具のサポートがあればかなり楽ですね。ところで練習はどちらで行っているのですか?

佐藤氏:オリンピックセンターといって、地下鉄のウニベルシダ・デ・チレにあるんですが、そこで練習やってるんですよ。

− 場所はそこだけですか?

佐藤氏:私はね。その他にも国立競技場でもやってますよ。

− 地方はまわられてますか?

佐藤氏:Talca, Valdivia, Concepsionなどお呼びはありますけど地方まで行くと大変なので、まだ行けてないですね。

− ナショナルチームに入ってる人はサンチャゴに集まるのですか?

佐藤氏:普段はバラバラですが、冬休みや夏休みなど合宿する際に集めるんですよ。だから今の時期はサンチャゴに来れる連中だけでやってるんです。この国でスポーツをやるには、ある程度経済的に余裕がないとできませんね。

− サッカー選手は貧乏な人が多いですがね。

佐藤氏:サッカーは貧乏でも吹き抜けがあるでしょ、有名になったら稼げますが卓球では食えませんから。。

− チリで企業が応援しているってことはありますか?

佐藤氏:卓球に関してはゼロでしょう。ただ、用具についてはメーカー(バタフライ、テイバール、ジョーラ等)が援助してくれています。日本の用具は世界一の品質でみんなあこがれるんですよ。こんな私のユニフォームでも(着ているシャツをみせる)バタフライ。みんな“呉れって”いうんですよ。

− 卓球の世界は知りませんが、テニスプレヤーのようにユニフォームにロゴを入れてもいいんですか?

佐藤氏:もちろんロゴというよりも、協会とスポンサー契約を結ぶとロゴ等の宣伝マーク入りのユニフォームの作成は可能になります。

− チリの場合は自由ですか

佐藤氏:どうでしょう? あんまりスポンサーなってるのみたことありませんからね。。サッカーならわかるけどね。日本の場合は愛ちゃんが出てきてから商品価値が上がって、MIZUNOとANAかな?。。 スポンサー料が年間3億。年間3億円ですよ。

− それ個人でですか?

佐藤氏:協会に入ります。。 だから日本では選手の強化費が稔出できるようになったんです。だからそういう面では愛ちゃんは大変協会に貢献してますよね。

− 朝のニュースだけでもかなりの時間流してますよね。愛ちゃんがプレーしたときは。

佐藤氏:彼女の4歳くらいから、10チャンネルのニュースキャスターの安藤さんがとりあげてくれてね。彼女が追っかけてくれたからよかったんですよ。卓球人としては愛ちゃんには足向けて寝れないくらい愛ちゃんの効果というのはすごいですよ。だからチリでも、目玉商品を誰か作るしかないですね。(笑い)ブランカやカレン(佐藤さんが指導しているチリの有望な女子選手)を集中的に英才教育していきたいと思ってるんですよ。

この国の子供たちは日本に留学したいんですよ。日本の青森山田の木村理事長に話してもいいですよっといってるんだけど、チリ側の不安は日本に行ってしまうとこっちに帰ってこないんじゃないか、そうするとどっちの強化をやってるかわからなくなっちゃうんですよね。

卓球やる環境は日本の方がはるかにいいですからね。日本の実業団の主な選手は契約選手で卓球が仕事の選手が増えてきました。

− そういう環境としてできるならいいですね。チリでは学校も認めてくれているんですか?

佐藤氏:それがOKなんですよ。ブランカという女の子は13歳で、いつも練習に参加しているから“おまえCOLEGIOどうした?” “月水金は行くけど他は行かなくてもいい、卓球やりなさいって”

特別に市が認めてくれているようで、RENGOの子なんですが、いつもRENGOから通ってくるんですよね。彼女は身体もでかいしね。なんといっても熱心なんですよ。だから才能ということを考えるとそうあるとは思えないけど、訓練することで才能というのは作られるという面もありますので期待しております。

− 彼女が卓球をやり始めたきっかけは?

佐藤氏:親じゃないですかぁ。親がすすめたんではないかなぁ。

− 何歳から始めたんですか?

佐藤氏:まだ始めて4年。私がみたのが去年の11月からですが

− 例えば日本の卓球選手、日本は歴史もあるし技術的にもノウハウはあるでしょうが、チリの卓球ってセンス的にはこれから伸びる可能性はあるのですか?

佐藤氏:チリの場合は身体が硬いんですよ。柔軟体操はほとんどしないんですよ。ここのトレーナーがキューバ人なんですが、ここの国は走ることはやるけど柔軟体操をやらないと嘆いております。

− 基礎トレーニングをやらないということですか?

佐藤氏:そうそう。それをやれって言ってるんですよ やらなきゃだめだってそういうのが基本的に少ないから体力も日本人からくらべると落ちますね。

− 持久力ですか?

佐藤氏:そう。持久力も。瞬発力とかね。そういう面で小さいときから訓練していけば私はできると思います。また別の面では、チリの選手達はしつけがなってない!チリの監督は怒らないんですよ。日本の選手の場合は小さいときから精神面から教えますよね。感謝の気持ちとか、ボールを大事に扱いなさいよとか、でもここの国の子供たちはそうではないんですよ、自分で気に入らなかったらボールはたたきつけるは、足で蹴っ飛ばすはでね。。。なんだお前は!って。。私はその子に二度と同じことをしたらもう教えないよって言っているんです。そうしたら私の周りではボール蹴飛ばす子はいなくなりましたね。

そういう意味でも日本に行くのは良いことだと思っています、日本の選手の練習への取り組み姿勢とか理解して帰ってこれればと期待しております。

− 2年の期限で何ができるのか?っておっしゃってましたけど、2年やられて佐藤さんの派遣先としては、その精神をつないでいく計画はあるのですか?

佐藤氏:そうそう私が帰国したあとも継続して誰かが来て指導してゆかないといけないと思っております。

− 一過性だけではなく、派遣するという意思が少なくともJICAさんにもあるなら継続性がないと意味がないですよね。

佐藤氏:継続しなかったら意味ないですよ。私は日本に帰っても、その後日本にいながらチリのアドバイザーになってもいいよって言ってるんですよ。まあチリに来いといわれると、旅費かかるから個人ではなかなか来れませんがね(笑い)

− そうですよね、目標がチリの卓球レベルのUPであれば2年でできるものではないから、JICAとしては長期の戦略をもってないとダメですよね。

佐藤氏:そうですよ、最低で5年とか10年とかそれくらいの長期で考えないと強化なんかできないですよ。そうでなかったらナショナルチームの指導など最初からやらないほうがいいですよ

− ピンポン人口を増やせというターゲットなら、ひょっとすれば2年でできないこともないでしょうが。

佐藤氏:普及ではなくナショナルチームをみろという要請ですから。

− 今回は佐藤さんのような人材に恵まれてしまいましたね。普通ボランティアにできるような課題じゃないですよね。チリの卓球レベルをあげるなんて。

佐藤氏:先日日本のナショナルチームの監督が来て、わたしがここで指導しているのを知って“佐藤さんJICAでこんな強化やってるって知らなかった”というんですよ。

− 卓球で日本の卓球協会とこちらの協会、世界と交流するという意味ではものすごくいいことですよね。

佐藤氏:おっしゃるとおりです。来年、日本の選手が来たときは何とか一日くらいチリの連中を教えて帰ってくれって言おうと思ってるんですよ。打つだけでもいいから。。

− じゃあそろそろ話しがはずみすぎるので最後の質問として、来る前と来てからのギャップはありますか?

佐藤氏:ギャップというかね、私は環境に馴染むというのは平気なんですよ。うちの家内はだめですけど、私はギャップというのは感じたことがないですね。こういう国だと割り切らないといけない。腹立つこといっぱいありますよ。時間を守らない!監督が来てるのに遅れてくる。日本人なら最低でも5分前には来るじゃないですか。日本の場合2時間という練習なら、2時間の前にラバーを貼り、体操もやってしまって正味卓球をやるのが2時間だって、それがここは4時から始まると4時からラバー貼って、準備体操やってだから20分くらい遅れるわけですよだから実際は1時間40分しかできないんですよね。それはもったいないと。。この習慣を変えるには苦労しますね。考え方のギャップは少しあるのかなあ。焦らず自分のできることを頑張ってやるつもりですし、その結果少しでも国際親善にお役にたてて帰れればと考えております。

インタビューを終えて

他国にて卓球の強化に力を入れようと、JICAシニアボランティア制度を通じてチリに来られた佐藤さん。日本に比べるとまだまだ力のないチリの卓球レベルをまずは南米ではトップクラスに近づけようと、毎日熱心に練習を見つづけ、選手との間にある言葉の壁も乗り越え、その努力のお陰でナショナルチームはめきめきと実力をつけてきたたようです。インタビューに答えていただく佐藤さんのお話しを聞いていると、ボランティアという肩書きですが佐藤さんにとってチリで卓球を教える日々は真剣勝負そのもののようです。日本人であろうがチリ人であろうが関係なく、厳しさの中にも選手の気持ちを常に考える、そういう佐藤さんだからこそチリ人の選手も頑張ってついていくのでしょう。
Camara Chileno Japonesa
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