Mail
Home
ホーム

 

広報WEB委員会インタビュー第3段、8月の夏休み期間を利用してサンチャゴに客員教授として来られていた同志社大学政策学部 岡本由美子教授にインタビューいたしました。インタビューの場所は先生ご希望でもあったサンチャゴ市内のチリ料理レストラン。今回のインタビューは、広報WEB委員会より渡部担当理事と吉本委員長、在チリ日本大使館より先生のご担当されていた小玉書記官(広報WEB委員)にインタビュアーとして参加いただきました。インタビューに入る前にピスコサワーでまず乾杯!先生も一杯目はピスコサワー。。 先生はお酒がなかなかいけそうです。そのせいか普段なかなか聞けないこともお話いただき、楽しいインタビューとなりました。

インタビュー日 2005年8月24日

 

今回チリにはいつからお越しになっているのですか?また予定としてはいつまでいらっしゃるのでしょうか?

岡本教授  8月1日に来まして約1ヶ月なんですが、来週の31日にはもう帰るんですよね。まあ 短い滞在ですね。

- 今回チリは初めてなんですか?

教授 はい、そうなんです、チリは初めてなんです。

- 以前アルゼンチンに行かれていたと聞きましたが?

教授 はい。あと、以前アメリカにいましたのでメキシコには何回か行きましたが、南米は去年アルゼンチンが始めてで、今年チリですね。

- 今回いらっしゃった目的またはきっかけは何ですか?

教授 えー、去年アルゼンチンに行ったきっかけと一緒ですが、日本国際交流基金に研究者派遣事業というのがあって、文化交流の一環として大学の先生を派遣してその国で日本に関連したことを教えるというものなんです。去年派遣先としてアルゼンチンがあって、たまたま私の友人でアルゼンチンを研究している人がいて、その人から「こういうのがあって人を探しているんですがどうですか?」っていう話をいただいて・・・なぜ私の所に来たかと言うのは、要はそこの大学で教える内容が“アジア太平洋のこと”、もちろん日本のことも話さないといけないんですが、要するにアジアのことを教えてほしいという依頼があったんですよ。私はたまたま、ムカ〜〜シ!南米のことをやっていたことがあったので、その人から「あなたどう?」という話がきたんです。それで「ハーッ、それなら私応募しますわ!」といって、それで去年アルゼンチンに行くことになったのです。そのとき、初めて私は“南米がアジアに目を向け始めている”ということを聞いて、“あーっ、これはおもしろいなぁ”と日本に帰国してから、去年こちら(チリ)に来られていた先生とお話する機会がありまして、その時にその先生からも“チリもアジアに目を向けている”ということを聞き、チリにも是非という話になったわけです。私も専門が国際経済なもので、日本とチリとの間でFTAの話とかが出ていると聞いたときに、ますますその気になったのです。そうしたら、ラッキーなことに、今回もう一度、日本国際交流基金から派遣してもらいました。まあ、内容はある大学に行って講義を6回するということが最低の義務でして、今回はチリ大学の国際問題研究所というところを中心にして、まあ何かといいますと日本を中心としてアジアのことを教えるんですが、現在、日本とチリとの間でFTAの話もあるということから通商政策の話を6回ぐらいして、その他はどこか別の大学に行って話してくださいということだったんです。それ以外は、色々なことに興味関心があったので、その間色々な場所を訪ねてはインタビューしてたんですよ。

- 講義ですが、公開の講義とそれ以外でも大学内で学生を相手に講義されていたんですよね?

教授 そうです。あの〜。今回は一応、国際問題研究所の、まあ研究所というよりも大学院コースというのがあって、そこの研究所の先生方でアジアのことに興味のある人、プラスそこのマスターコースに来てる学生さんを中心に講義をしていたんですが、ただ私の受け入れだった先生がですね、私が来て2週間経つといきなりどっかいっちゃったんですよ!本当は6回その先生の責任でやってもらうということだったのですが、結局4回まではその先生のお世話で講義を担当し、後の2回はチリ大学とはもちろん関係あるんですがまったく違う大学で…。 ひとつはハイデルベルグ大学。本校はドイツにある大学ですが、この大学がチリ大学とジョイントでマスターコースを持っているんですよね。そこに一回教えに行って、もうひとつは将来、外交官として海外で活躍される10名の学生さんの前で話をしたわけです。授業の多くは公開で行われました。公開といっても、はっきり言って新聞記者まで来られるような公開だとは思わなかったんですが、そういうものだったんですよね。

- そういえば新聞にも載っていましたね?選挙の話なんかも。

教授 私もみて「エーっ」とびっくりしまして、講演の中で言っていないことがヘッドラインになっていたので、私そんな選挙の話なんかしてないし・・・。

- そうですよねー 政治家じゃないですよねー。

教授 もうぜんぜん関係ないこと書いて・・・(怒る先生) それが、最後に質問しに来た人がいたんですがてっきり大学の学生さんだと思って、こっちとしては親切に答えていたわけなんですが、実は蓋を開けてみると新聞記者だったようで、講義で言ったこととぜんぜん違ったことがヘッドラインになってたわけですよ、それで絶対文句言おうと思って大使館の方にも相談していましたが“そこまでしなくていいかなー”と結局やめちゃったんです・・・。

- 今までチリで講義なさって、学生の全体的な印象や反応は?

教授 学生というよりも、私が対象にしていた学生さんが正直言ってチリ一般の学生さんとは違い特殊な大学院生で、チリ大学国際問題研究所の場合はおそらくその半分はコロンビアやメキシコなどこの周辺の国から来たりとかしてるので…。大体みんな私に聞くことは、「日本に留学したい」とか「奨学金はどうですか」なんて…。イヤーもう、そんな質問大使館にお願いしますよ
(笑)。

- アルゼンチンでもこんな感じでしたか?

教授 イヤーッ やっぱりだいたい私の講義を聞きにきて質問するような人というのは、日本に興味があってしかも学生さんだったら日本に行きたいわけですよね。だから“どうやったら行けるのか?”ということと、“どういう大学だったら留学できるのか?”という情報が欲しいわけなんですよね、だから私は奨学金のことはわからないから大使館にお願いしますが、どういう大学だったらどういうコースがあって、どういう形でという情報は持ってますので…。そういうことはこっちも少しは役に立てるので講義の内容よりはそっちの情報のほうが、おそらく貴重なんではないかな(笑)と思っておりますが…。

- そうなんですか。 アルゼンチンを始めに南米に来られてどうですか?

教授 もともと私はポルトガル語学科出身だから、ラテンが嫌いではない人間なので、あー楽しいなーという感じですね(笑)。楽しいですよ。アジアに比べても。

- 東南アジアなんかと比べて南米はどういうところが楽しいですか?

教授 うーん 難しいですねー。アジアの国も楽しいことは楽しいんですが、ラテンというのは陽気ですよね、まあ東南アジアもある意味では陽気なんですが、ちょっと意味が違うかな…。

- ラテンは熱いですもんね。

教授 そのへんやっぱり独立してからが長いですし、色々まあ文化的にも私には非常におもしろいものを持っているし。こっちにきてノーベル文学賞をチリ人がすでに二人も受賞されているなんて全然知らなかったんですが(笑)ここに来て最初に大使館に行ったときに大使から聞かされ「あっそうですか!」。でもそれを聞いておいてよかったです。そういう情報が非常に大切というのはその国の文化レベルが高いというのがわかるしね。あと芸術家だとかシンフォニーだとか結構安くでやっているんですよね、日本じゃもう何万円も払って行かなければいけませんが…。チリ大学が所有しているチリ大学劇場がありますよね?私もたまたまあそこで毎週シンフォニーやっていたので行きましたが、安いですよねー日本に比べて・・・。安くて結構いい音楽家が演奏していたので、楽しみました。。そこらへんは、ヨーロッパと少し近いですよね。

あと私がひとつ感激したのは、日本人の武満徹という作曲家がいるらしいんですが?

- 知ってます。

教授 あっ知ってますか。その人の曲が演奏されたんですよそこで。指揮者がフランス人で、演奏したのはチリの交響楽団で…。ホテルに帰ってからWEBサイトで調べたら、“こんなに有名な人だった!”なんて初めて知って、知らなかったのはずかしいんですが、そんな有名な日本の作曲家の曲をここで演奏していたなんてこれまたおもしろい国だなーと…。

- 日本人で諏訪内晶子というバイオリン奏者いますよね、彼女も来たんですよねチリへ。

教授 へー本当ですか…。

— 私が前回駐在の時ですから2001年、2002年かに来ましてね、今年も来る予定だったんですが風邪でキャンセルになっちゃって…(残念!)。

全員:あーほんとにー。

— 僕もねー売り切れて駄目だなと思ってチケット買いにいったら最前列から2番目買えたんですよー。

全員:あらー

— 2日連続で講演聞きに行ってみたら2日とも一列目が誰もいなくてねー(笑)。

全員:なんだそれー。

— 当時は1万4千ペソでしたから、20ドル、20ドルですよ

全員:んー安いですよねー。

−ここから少しインタビューから外れて諏訪内晶子ファンのインタビュアーW氏の話−

それで諏訪内晶子かぶりつき、目の前!これがねー信じられないですよ。日本だと1万円は下らないですよ。それで、コスチューム。あっ!ごめんなさい、こんな話するとあれですが。コスチュームが日本じゃ黒のシンプルなドレスでしょう、こっちではヘソ出しルックですよ…(笑)この違い、プロですねー。

2日目の講演後たまたま友人と夕食食べに行って、こんなところ諏訪内晶子来ないよねーなんてパッと後ろ向いたら イターツ!!

I:えっツ どこにいたの?

W氏:金太郎!(日本食レストラン)

全員:あツ 日本食ー・?? よかったですねー。

W氏:焼きそば食べてました(笑)。それで横にいた私の友人が“写真撮ってもいいですか?”って言ったら“駄目です”ってオフだから、でも“お話はいいです”って。

男性一同:お話!!? いいですね〜。

W氏:ごめんなさい!こんな話するわけじゃなかったんですが…。

教授::いえいえ。どうぞどうぞ。

K氏:先生も講義のところで色々なポイントポイントでそういうお話(文化的な要素を取り入れた話)をされているので、生徒というか聞いている人は食いついてきましたよね?あとなんの話でしたっけ?

教授:“携帯電話の話”みんなくいついてましたよねー。

K氏:先生帰ったら引越しされる予定で、引越しするところが携帯でなんでも指令ができるところみたいで、炊飯器だとか暖房だとか。そういう話をするとすごく彼らは敏感ですね!そういうの聞くと“やっぱりすごいね日本は!”みたいな。

教授:あともうひとつこっちの人で、これアルゼンチンもそうだったんですが、若い人が日本を最初に知る手段ってやっぱり漫画なんですよねー。アニメ!!アジアでもそうなんですが、正直言ってすごいですね。FTAの話なんか興味持つかどうかわからないですが、漫画とか携帯とかになると、私話しててわかるんですが、そういう話になると学生の顔がパッ明るくなるんですよねー。や〜も〜反応が違うんですよね〜。しかしアニメはすっごいですよえ、やっぱりそれだけ浸透してるんですよ中南米に。日本と言えば漫画、アニメ。これをもう少しなんかビジネスにどうですかね??

K氏:先日メルクリオ(新聞)かなんかに“オタク”とか“コスプレ”とか出てましたが、“おいおい”そんなことなんで知ってるんだって!おかしいですよね!チリ人でもコスプレやってる人いるんですよ。チリですよ、そういうのってなんか人間の中で共通なものがあるんでしょうね。こんな格好したいとか??

— 講義の話は別にしてチリにいておもしろいことってありましたか?

教授 おもしろいことですかー。うーんさっきインタビュー前にも少し話しましたが、銀行でドルのトラベラーズチェックをペソに換金しようとしたとき、「あなたは独身ですか、結婚してますか?」と聞かれたことですね。なんでそんなこと関係あるんですかねー…。

ウーン全員首を傾げる…。

— チリ初めてですよね、日本にいてチリをイメージしていたことと、ここに来てあれっ違うというところありますか?

教授 これはっ。チリ人って思ったほどラテン的ではないんですよね。それがおどろきましたね。とにかくブラジル人はほんと陽気ですからそれとはちょっと違うんですよね。ラテンのイメージとは違いますね。

— アルゼンチンともまた違いますか

教授 うん、そうですね。やっぱりアルゼンチンの方がもう少しイタリアンの血が入っているのかラテン的ですよね。

— そうですね、アルゼンチンはイタリアの移民が多いですから。

教授 えー、やっぱりそうなんですか。でもチリへ来てあまりそういうイメージっていうか雰囲気はないですね。思ってたほど…。結構律儀なところもあるし、ラテンだけどラテン的じゃないところ、うーん私も短い間でしたけどなんとなく感じましたね。

一応時間でも、確かにルーズなところがあると聞きましたが、私の講義とかでは時間がずれるとかそういうことはなかったですし、アルゼンチンでは私がセミナーとかで話さないといけない内容の打ち合わせも前日の夜くらいまでにならないと何を話せばいいのかわからなくて、その場に行ってもほとんど即興みたいな形で…。そういうところアルゼンチンって平気なんですよね、これを日本の企業の人に話したら「そんなの当たり前ですから、もしかして悩むより即興でやったほうがいいんじゃないですか」って。あっそうですかって。

チリは、私がイメージしていた南米ってみんなラテンかなーと思ってたんですがそれはなかったですね。

— 数週間いらっしゃって何か困られたことありませんか?沢山ありそうですね?

教授 やっぱり英語の新聞がないのがねー。それも驚きでしたよね。イヤーさすがに…。確かに一面に何が書いてあるかなー?なんて私の能力ではとてもパッと読んでわかるということはないので。チリに来る外国人はここで何が起こっているかってわかりませんよねー。さすがにアジアに行っても絶対英語のものは何かありますし、それが困りましたよね。

— そうそう、僕指摘受けるまで英語の新聞がないってことすら気がつかなかったですねー。

これはね私も驚きましたが、実はここにサンチャゴタイムスという英語の新聞があるんですよ。でも全部一日遅れなんですよねー。ここで前日のニュースを英訳しているので。

教授:そーなんですか。

— ただ日本だったら朝日新聞でもちゃんと英語とバイリンガルでありますよね。メルクリオって英語ないんですよね、一番売れている新聞の英語サイトがない。

全員:ないっ!ないっ!その意味ではおもしろいですよね。

教授:もうひとつ困ったのがチリに来て洋書屋みたいなのがないんですよ。色々聞いて回ったんですが。ないんですよねえ〜。確かに日本でも、私も京都、神戸、名古屋、大阪といった都市に住みましたが、こういう都市にはあまりないんですが、少なくとも東京にはあるじゃないですか。

色んな本屋をブラブラして周りましたが、ひとつ気が付いたのが経済の本も全部スペイン語に翻訳しちゃうんですよね!学生が大体使っているメインのものはアメリカの教科書なんですけど、みんな翻訳してあるんですよね。考えたら日本といっしょです。

— でもチリでやってるわけじゃないでしょ?どっか他の国で。。スペインやべネズエラとか??

教授:あっそうかここじゃないんですね、アルゼンチンかもしれないですね、だから英語がないのかー。で、大学の近くで少なくともスペイン語に翻訳された本があったので、“英語の本はないんですか?”って聞いたらそれは全部インタネットオーダーだというんですよね。それであっそうかこっちの方が早かったかと思って。書籍の文化というのがないとは言いませんが、日本と比べると例えば本屋のプレゼンスが小さいという感じがしますよ、ほんと本屋少ないですよね。

— 基本的に値段が高いというのもあるし、ブエノスアイレスから比べると、読む人が少ない??

教授:先日チリ大学の受け入れ教官の奥さんが、リサーチされている方みたいで、彼女に“本はどうしてるの”と聞いたところ、“ここには何もないからアルゼンチンに行って買ってくる”と聞いてビックリしたんですが、飛行機代出してもその方が安いらしんですよ。

K氏:それなのに、これも先生がおっしゃったようにサンチャゴには大学が無茶苦茶多いんです。先生もなんでこんなに“ウニベルシダ(大学)”“ウニベルシダ”みたいなのがいっぱいあるんだって!本屋をあまり見かけない国なのにどうなっているんでしょうかね。

教授:でも学生さんはまじめですよね。

大学院生でしたけどチリ人の人は昼間働いて夜勉強。それは熱心ですよねー。日本も昔はそうだったのかもしれませんがそこらへんは日本の今の状況とは違うなー、頑張ってるなーと言う感じを受けましたね。

— そういう意味ではまじめなんですよね。

教授:そうなんです。まじめなんですが、なんかそれとちぐはぐなところがあって、例えば本屋がないとか理解できないところがあって…。

例えば中国なんて、あれ上海だったかなー2年前に行ったら、紀伊国屋みたいなのがバーンってあって、ものすごく展開が早いですよね。だからって決してチリ大学、カトリック大学のレベルが低いということはないのでイメージとちょっとギャップがあったというところですかね。

— ところで同志社大学にはいつからいらっしゃるんですか?

教授:2年前からです。

— その前は?

教授:その前は神戸で。すいません私色々職を変えてまして、これ5回目なんですが。

— そういえばアジ研にもいらっしゃったんですよね。

教授:アジ研(アジア研究所)の前もあるんですけど・・・。

— 今の専攻をなさった理由は?なぜ国際経済をやってらっしゃるんですか?

教授:言語センスないなと思いながらあの頃あの大学(東京外大)に入りましたけど、どちらかというと、ブラジルの開発の話とかに興味持ってて、だからそんな遠い話ではなかったわけなんです。言語とかそういうのは自分には駄目だなーと思って。社会科学的なことに興味持っていたので、アメリカに行ってある先生と話していたら、“そういうのに興味あるんだったら経済学やりなさいよー”と言う話になってそのまま頑張っちゃったというか、だから私の中ではそんなにギャップはないんですが、確かに日本の出身大学の名前を聞くと“なんで?”とよく言われますね(笑)。

— ハワイ大学にいらっしゃったときにすでにそういうのを勉強されていたのですか?

教授:オハイオ大学でまずラテンアメリカについての勉強していた時にアメリカの先生に“あなたブラジルの開発のことを一生懸命やるのはいいけど、経済のことわからないと開発のことわからないんじゃない?”と言われて…。 実は東京外大時代に経済学原論の講義を受講した時にこんなにおもしろくない学問もあるんだとその時は思ったのですが、アメリカにいってアドバイザーに“駄目だ!やれ!”と言われて、しぶしぶとったらその経済学の授業の先生が良かったんですよね。だから私も肝に銘じて、やっぱり学生って先生によっても変わるものだなと思いましたね。わたしの興味はその先生のお蔭で変わってしまいましたね。

— 大学の先輩は相当世界各国に出られていかれているのではないですか?

教授:私をはじめ外大の卒業生にとって商社に入ると言うのは夢でしたね。とにかくあの時代4大を出ている女性って雇ってもらえなかったんですよね…。しかも私は下宿生だったんでそれなら絶対不可能と言われて一般企業は辞めたんですよ。

— そうですか

教授:もうひとつ、色々海外に行ってビジネスとかやりたいですねー。

— できますよ

教授:ええッ やりたいですねー。そんなこといったら怒られちゃいますね!ここはカットカット!!(笑)

— 例えば同志社大学サンチャゴ分校みたいなのをやるとか(笑)。

教授:話が飛んで申しわけないですが、チリのハイデルベルグ大学というところがおもしろいことをやってるんですよ。日本は教育の国際化がまだまだ遅れているんだと思うのですが、アルゼンチンに行ったときにある民間の人が“先生こういうことできないんですか?”って持ちかけられたことがあるんです。例えばアルゼンチンにもあるのかもしれませんがチリにドイツ人の移民が多いということもあると思うんですが、ドイツでは一番古いハイデルベルク大学がこっちでキャンパスを作っているんです。でもキャンパスといってもお金かけてないんですよね。

— どこにあるんですか?サンチャゴですか?

教授:すぐそこですよ、チリ大の近くの。でもキャンパスってもんじゃないんですよ、ちょっとした家を借りてそこで教えているという感じですが、ただそれだけではなくチリ大学とカトリカ大学の二つが組んでジョイントで教えて、そこにドイツ人の先生にも来てもらったり、チリの先生も活用して一年ここにいて大学院ですがあとの一年はドイツだとか、それでチリの大学ともジョイントできるという、そういうのを日本の大学がアルゼンチンでもできないですかねって民間の人に聞かれた覚えがあります。これからの少子化のこととかのことを考えると、一案ではあると思うのですが…。

— 今回の経験を踏まえて日本に戻って何かやりたくなったことってありますか?

教授:うーん。。例えばチリと交流を深めるにはどういうことがあるかとかそういうことはずっと考えていて、今回思ったんですが、学部レベルでやるというのは難しいと思うんですね、やっぱり言語の壁、日本人にとってスペイン語こっちの人にとって更に日本語だから対等な交流は学部レベルでは難しいと思うんです。だから大学院しかないと。ただ大学院で本格的な交流をするとなると、チリ大学の国際問題研究所でも申し上げたんですが英語のコースをもっと作ってくれないと駄目ですよね。学部レベルでは正直言って難しいと思うんですよ。日本の大学院レベルでもうちょっと英語の教育を増やしてこっちにもそういのがあればこれで対等にできると思うんですね。日本はアジアの拠点であるし、チリはラテンを拠点にしてだからそういうことだったらできるかなと、わたしがこっちに来た理由は、私学に移動していろいろなことが迅速にできるかなという期待もあってそれが何年かかるかわかりませんが、そういうことやっていかないと日本の大学の国際化ってむずかしいと思うんですよ。日本はもっとも遅れているんではないかと…。こんなこと私が言ってたと言うと日本の大学の人に睨まれてしまいますが、ちょっと遅れていると思うんですよね!だからさっき言ったドイツがすごく先進的だなと思うのはドイツの大学がこちらに進出してジョイントでやっているということと、ドイツ人に聞いたら学部レベルで交流というのは難しいので、大学院レベルで英語教育をどんどん入れてそこでやるんだ、と。あーそいうビジネスモデルっていうんですかね、ビジネスじゃないですが、取り入れていかないと日本の大学は世界のグローバル化の中でますます取り残されていってしまうという危機感があるので、何かできないですかね?言葉で言うは易しですが、実際に実行するのは大変なんです。それはすごく感じました。

— 最後何か発信したいこと、これだけは言っておきたいことがあれば。

今のお話おもしろかったですが、チリもまったく日本と同じ少子化問題を抱えているので多分危機感をもって学校運営をしていかないと学校が死んじゃいますよね

教授:ほんとそう思います。

— その辺はチリも認識しているかなあ?…もししていれば両国で協力しあってということもできるでしょうね?

教授:あのやっぱり日本でスペイン語をやっているといえばどうしても目はスペインかメキシコなんですよね。今回帰って日本の学生には、もうちょっと南米にもこれから興味を示してもらうよう話をしようかと思ってます。私が南米を離れてしまった理由というのは、南米がガタっときてしまって日本人の目がいかなくなってしまったというのがあると思うんですが、現在はチリが安定して他の南米の国にもこれが影響しまた全体的に戻ってくるかもしれない、チリをひとつの拠点として。他の南米の国よりは学生が安心して勉強できる環境はいいですよねえ。 そういうことで発破掛けられますかね。

—岡本由美子教授紹介— 

静岡県生まれ。東京外国語大学、オハイオ大学大学院経済研究科(修士課程)、ハワイ大学大学院経済研究科(博士課程)で学ぶ。大学の職に就く前は、開発コンサルタントとしてODA関係の仕事に従事したり、アジア経済研究所で途上国経済の研究に従事しながら、開発の現場に触れてきた。1995年より、神戸大学、ブランダイス大学(アメリカ合衆国マサチューセッツ州)、名古屋大学の大学院で国際経済・国際開発関係の研究・教育に従事。縁あって同志社大学で平成16年からお世話になることになった。

インタビューを終えて

大学教授!多分かたくてまじめな人だろうな?・・そう思いながら当日は私たちも緊張しがちにその場に赴きました。あいにくの大雨でしたが、時間通りレストランへ到着されてた先生にご挨拶をすると、初対面なのになんだか昔から知っているようなさっかくをおこさせる不思議な魅力。インタビュー前の話もはずみ、まずは乾杯用にとピスコサワー(チリの有名な食前酒)を頼む先生。“先生お酒いけますね!”とますます心を許し喜ぶ私たち。。 Concha y ToroのCasilleros de Diablosを飲みながら、いつしかインタビューを忘れ気の合う仲間うちでの食事会のような雰囲気。でも、やはりインタビューの中では生徒を気遣い、将来日本の大学の行方について真剣に心配する“教授”の顔もうかがえました。まだまだお若い先生はこれから日本の大学を背負っていく重要な人物になられることでしょう。

 

 

 

 

Camara Chileno Japonesa
ギャラリー